気づきは心を変える

瞑想の中でも基本的な手法の中に、呼吸に意識を向けるという手法があります。ヴィパッサナー瞑想やマインドフルネス瞑想でもよく行われている手法です。

吐くときに鼻腔から息が出る暖かい感じや、吸うときのヒヤッとした空気が入ってくる感じに注意を向けます。お腹の膨らみや縮みを感じてもよいでしょう。

この「意識を向ける」という行為を、瞑想では「気づき」と言います。

息を吐くことに「気づいて」いるということです。「気づき」はまさしくそのこと一点に注意が行っている状態で、自分の意識がそこに止まっているということです。

これを瞑想では何度も何度も訓練をしていきます。注意が逸れて、頭の思考に捕らわれていることに気づいたら、すぐに呼吸に注意を戻すー即ち「気づく」状態に戻します。

ここで、考えている自分に「気づく」というのも大事なポイントです。気づいた時点で思考が消えるからです。考えている状態を「気づき」によって変えることができるのです。

気づきの訓練を行うと、瞑想中の思考に気づくのが徐々に早くなります。

呼吸に注意を向ける「気づき」が身につくと、感受性が研ぎ澄まされて、内外のいろいろな微細な変化にも気づきやすくなります。

少しお腹が空いたな。ちょっと寒いな。いつもより歩くのが遅いな…など。

このような気づきが素早く得られるようになると、一番助けになるのは、感情の気づきです。

感情は、いきなりわっと現れることはあまりありません。あるきっかけで、少しずつ、じわじわと生まれて大きくなり、自覚できるようになります。

ですが、感情がはっきり感じられるほど大きく強固なものになっている状態ではもう遅く、相手に心にもないことを言ったり、いつもと違う行動をとってしまいがちです。

そこで、瞑想によって気づく訓練をしていると、感情がまだ生まれたばかりの状態で気づくことができます。

「あ、イライラしてる」と気づいたら、その時に対処すれば、感情は溜まらず、解放されていくことの方が多いです。

ネガティブな感情に気づいたら、落ち着ける場所に移動して、そこで呼吸に気づく瞑想をしてみましょう。一点に心を集中させる訓練は、波立つ心を落ち着かせ、感情のエネルギーを解放してくれます。

「気づき」はネガティブな感情に対処するための効果的な意識状態なのです。

それだけでなく、頬をやさしくなでる風や、かわいらしくさえずる鳥の声にも気づいてみましょう。

そこには、今まで気づかなかったやさしくて繊細な、心を変える世界があります。

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